ヨーグルトは便秘に効かない?

便秘解消のために、腸に良いとされているヨーグルトを選択される方も多いと思います。しかしながらヨーグルトは本当に便秘に効果テキメンなのでしょうか?

「ネットで調べると効果があったという人が多いけど・・・」

「私には効かなかったなぁ」

という意見を持っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。


ヨーグルトは果たして便秘に効くのか、それとも効かないのか?
この巷で非常によくされている議論について、今回は大胆にメスを入れていきたいと思います!

ヨーグルトでは便秘を改善することが難しい

ヨーグルト



さて、いきなり見出しで結論を述べました。

そうなんです、残念ながらヨーグルトでは便秘を改善することが非常に困難であると言えます。

しかしながら「ヨーグルトは便秘に絶対に効かない!」と言っているのではありません。
そうではなく、『ヨーグルトでは便秘を改善することは困難である』と言わざるを得ないのです。

その理由は、ヨーグルトが持つ特性がそれを起こしてしまっているのです。


その理由とは・・・

【1】カゼインが腸内を荒らしてしまう

【2】ヨーグルト、実は糖質が意外と高い

【3】自分に合った菌株を見つけるのが非常に困難

【4】食べ方を誤ると劇的に太る

代表的な理由を挙げると、以上の4つとなります!

それではそれぞれの詳細な理由をみていきましょう!

【1】カゼインが腸内を荒らしてしまう

yogurt



ヨーグルトは皆さんがご存知の通り、牛乳から作られた加工食品です。
乳製品は実は、便秘を改善したいあなたにとって大敵な成分を保持しているのです。

それは、カゼインと呼ばれる物質です!
カゼインとは牛乳に含まれるタンパク質の一種です。カゼインが腸内に入り込むと腸に炎症を起こさせて、劇的に腸内を荒らしてしまうのです!

腸内が荒れることで腸内粘膜や腸内細菌などのバランスがおかしくなり、腸内環境がズタボロにされてしまうのですね。
腸内環境がズタボロにされてしまうということは、もちろん良い便通が遠のいてしまうということです。


牛乳を消化吸収するためにはラクターゼという消化酵素が欠かせません。”乳糖不耐症”というワードを聞いたことがあるでしょうか?これは、牛乳を飲んだ時にラクターゼが不足することによって下痢などを引き起こしてしまう症状のことです。

「牛乳を飲むとお腹をくだしてしまうんだよね」

という人は、この”乳糖不耐症”に該当するというワケですね。


では、「私は牛乳を飲んでもお腹をくださないから飲んでも大丈夫だよね?」と思われるかもしれませんが、実はそうもいかないのです。

と言いますのは、私たち日本人のうち実に8割~9割もの人が”乳糖不耐症”なのです!
欧米人に比べて、それだけ乳製品に弱い腸を持っているのが日本人ということを認識しなくてはなりません。



以上の通り、そもそも乳製品に弱い民族である私たち日本人が

「便秘解消のためにヨーグルト食べるぞ~」

ということでは、
そもそもが本末転倒であると言わざるを得ないのです!

更に日ごろ便秘薬を飲みすぎることで腸内が次第に弱ってくるため、そのような弱った腸内にヨーグルトを補給することで便秘改善を得ることは、非常に難しいと言えます。


今後ヨーグルトを食べる際にはカゼインによる悪影響も視野に入れていきたいところですね。

【2】ヨーグルト、実は糖質が意外と高い

次なる問題は、ヨーグルトには実は多くの糖質が含まれています。
私も栄養療法を学ぶまではヨーグルトが大好きで、”砂糖不使用のヨーグルト”を選んでは「健康に良いヨーグルトを選んでるな~♪」なんて自分を甘やかしていたものです。

しかし残念ながら、”砂糖不使用のヨーグルト”であっても糖質が意外と高いのです!これには注意が必要です。先ほど”乳糖不耐症”のお話しでも出てきました、”乳糖”こそが乳製品の糖質を高める原因です。


多すぎる糖質は腸内にいる悪玉菌のエサとなってしまうため、糖質を多く摂れば摂るほど悪玉菌が勢力を広げて腸内環境が悪化してしまいます。
意外と糖質が高いヨーグルトを食べることで、腸内環境が悪化してしまい、とどのつまり便秘を悪化させることにつながってしまうのですね!


しかもヨーグルトや牛乳は一気に流し込むように食べる・飲むことができます。
これは血糖値の急上昇に非常に大敵であると言えます。血糖値の急上昇&急下降は様々な病気や症状のトリガーとなってしまうためです。


以上のことから、ヨーグルトは意外と多い糖質により便通が悪くなってしまう。
そして、咀嚼(そしゃく)もほとんどいらない消化吸収が早い形状であるゆえ、血糖値の急上昇&急下降を招きやすく健康を害しやすいと言えます。

【3】自分に合った菌株を見つけるのが非常に困難

さて次なる問題は、自分の腸に合う菌株を見つけるのが非常に困難ということです。
ヨーグルトに含まれている菌株の種類はごく数種類です。なかには、まったく菌株がふくまれていないヨーグルトもあります。

そのわずか数種類しかふくまれていない菌株が、果たしてあなたの腸内で効果テキメンに働いてくれるのかと言いますと、これも実は非常に難しいということが言えます。


ビフィズス菌や乳酸菌を腸内に取り込むことで、腸内に生息している善玉菌たちを加勢してくれるため、腸内環境が改善していきます。腸内で菌株たちがそういった挙動をすることで、腸内環境に貢献してくれるのです。

しかしながらこのビフィズス菌や乳酸菌を構成する菌株が、一体誰のどの腸内に適合するのかは全くわからないのです。数十種類や何百種類という多種のビフィズス菌や乳酸菌を一度に摂取できるのであれば話は別ですが、それをヨーグルトでやるとなれば色々なメーカーのヨーグルトを20個~30個くらいを一度に食べなくてはなりません。これは経済的にも健康的にも現実的とは言えません。


よって、ヨーグルトに含まれているほんの1~2種類のみの菌株を摂取するために、カゼインによる悪影響&糖質による悪影響を受けてしまうのであっては、これは選択ミスと言わざるをえないわけです。

【4】食べ方を誤ると劇的に太る

それでは最後の影響となりますが、これは便秘と直接の関係がありません。

直接の関係はありませんが、肥満により内臓脂肪が蓄積されていくと肝臓やあらゆる臓器に脂肪がくっついてしまいます。
そうなれば体内の毒素を体外へ排出するデトックス作用も薄れていきます。

毒素をたくさん体外へ排出するデトックスの代表格と言えば、便通と排尿です。
ということは、実は便秘と肥満は無関係とは言えないのです。

重ねて、多くのかたの関心ごとである「ダイエット」や「スリムボディ」に少しでも貢献できる可能性があるため、ご説明させていただきますね。


ヨーグルトは食べ方を誤ると劇的に太ります!
ヨーグルトはいつどのような食べ方をすると太ってしまうのでしょうか?その食べ方を先に申し上げます。

朝にヨーグルトを、フルーツを入れて食べる

この食べ方をしてしまうことで、劇的に太ってしまうのです!
その理由は、ビフィズス菌や乳酸菌などの菌株を摂取するには実は時間帯が重要というカラクリがあるためなのです。

その理由は、腸内細菌が脂肪を燃やしてくれる時間帯、それが朝の時間帯だからです!
腸内細菌が脂肪を燃焼するための働きをしてくれるためには条件があり、それは腸内細菌が空腹状態のときだけです。

朝の時間帯は腸内細菌が空腹になりやすい時間帯です。そのような貴重な時間帯に、わざわざ朝からヨーグルトでビフィズス菌や乳酸菌を追加してしまうことで、腸内細菌は休むことなくせっせと入ってきた菌株を処理する必要が出てきます。

これは腸内細菌の空腹状態が断絶することを意味します。つまり、せっかく腸内細菌が脂肪燃焼のための因子を生成してくれるハズのところを、

「その脂肪燃焼ちょっと待った!これから菌株を投入するから働いてね!」

と腸に対して言っているのと同義となるのですね!


そしてヨーグルトにフルーツを入れて食べる場合ですが、フルーツに含まれている『フルクトースは脂肪蓄積のための糖と言っても過言ではない』ほど脂肪を増大させます。

朝のヨーグルトがそもそも太りやすくなるにもかかわらず、更に脂肪蓄積の糖を多く含むフルーツを一緒に摂取してしまっては、健康体は遠のくばかりです。


朝にヨーグルト。
この習慣を長年続けられてきた方には非常にショックではないでしょうか。

しかし朝にヨーグルトでなくとも、朝食は無数に選択肢があります。
便秘とも間接的に関係してくるほか、肥満体は様々な病気や症状を引き起こしてしまいやすいため、長い目で見れば朝ヨーグルトは避けていきたいところですね。

まとめ

■ヨーグルトで便秘を改善することは非常に困難

 【その理由】
 ・カゼインが腸内を荒らしてしまう
 ・ヨーグルト、実は糖質が意外と高い
 ・自分に合った菌株を見つけるのが非常に困難
 ・食べ方を誤ると劇的に太る


今回はヨーグルトが便秘に効果的なのかどうかをお話しさせていただきました。
結論として、ヨーグルトで便秘を改善することは非常に難しいということが言えます。

たった少しの種類の菌株を取得したところで、それと引き換えにして得る腸内環境の悪化はあまりにも大きな代償と言えるためです。


便秘を少しずつ確実に良くしていくために、毎日の習慣を変えていく努力が必要となります。しかし、いきなり
「よし!今日からヨーグルトも乳製品も全てゼロだ!」
という高すぎるハードルでは、挫折してしまうかもしれません。

そうではなく、まずはヨーグルトの食べる頻度を減らしてみる。食べる量を減らしてみる。というところから始められてはいかがでしょうか。
そうしていくことで、着実に便秘改善の1歩を踏みしめていくことができるものだと思います。

ヨーグルトとの向き合い方を改めていくことで、クセになりやすい便秘薬のやめどきを見極めていくことも不可能ではなくなるでしょう。少しずつの変化を意識してみてください!


最後までお読みいただき、ありがとうございました!