便秘には牛乳とヨーグルトどっち?

便秘改善のため、また、便秘薬の減薬や脱却のために牛乳やヨーグルトを摂取する人は多いのではないでしょうか?

どちらも健康食品という認識の強い品目ですよね。
この2つのうち、便秘に対して特に効果を発揮するのは一体どちらなのでしょうか?

便秘改善のために摂るべき乳製品、それは牛乳・ヨーグルトどっち?というテーマでお送りさせていただきたいと思います!

牛乳もヨーグルトも便秘改善に向かない

便秘を良くして快便を得ていくために、摂取すべき乳製品は牛乳とヨーグルトのどちらを選べばよいのか。

先に結論を述べさせていただきます。

実は、
牛乳もヨーグルトも便秘改善には不適格
なのです!


健康食品というイメージの強い牛乳とヨーグルトですが、便秘改善に限らず日ごろから意識的に摂取される人が多いのではないでしょうか。

しかし残念ながら、牛乳とヨーグルトは便秘改善どころか便秘を更に悪化させてしまいやすい厄介な特性を持っていたのです!

牛乳には乳糖とカゼイン、2つの脅威がある



牛乳とヨーグルトが便秘改善には向いていない理由として、
乳糖とカゼイン2つの脅威によって腸内を荒らされてしまうためなのです。

1.乳糖の脅威

牛乳には乳糖という乳製品特有の糖が含まれており、これを分解するにはラクターゼという消化酵素が必要になります。
ラクターゼが足りないことによって乳糖を完全に消化しきれない症状のことを、乳糖不耐症と呼びます。

よく牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしたりお腹を下してしまったりする人がいますが、これらが乳糖不耐症に該当します。
しかし、牛乳を飲んでもお腹に不調を感じなければ乳糖不耐症ではないかというと、実はそうでもありません。

と言いますのは、
私たち日本人の8~9割は、実は乳糖不耐症の腸の構造をしているのです!


欧米諸国は乳製品からエネルギーやタンパク質を摂取してきた長い歴史があります。
しかし私たち日本人はどうでしょうか。
日本人は古くからミルクを飲むような習慣がなく、明治時代の文明開化によって諸外国の文化を取り入れるようになってからようやく牛乳が我が国に入ってきました。

長い歴史を経て腸が乳糖に対して耐性をつけてきた欧米諸外国の人たちと、牛乳を飲み始めてわずか150年程度の私たち日本人では牛乳に対して耐性がないということも納得ですよね。

私たち日本人にとって、乳糖を豊富に含む牛乳は腸へのダメージを生み出す以外の何物でもないのですね!

2.カゼインの脅威

牛乳には乳糖の他に、カゼインという乳タンパクを含みます。

カゼインという乳タンパクもとても厄介な存在であり、
このカゼインもまた乳糖と同じように私たちの腸内を非常に荒らしてしまう性質を持っているのです!


これまで乳糖不耐症や牛乳アレルギーなどの症状については広く知られていることでしたが、牛乳に含まれているカゼインによる悪影響についても非常に注目されるようになってきました。

牛乳を飲むことで調子が悪くなる人のうち、乳糖ではなく実はカゼインによって調子を悪くしているということがわかってきたのです。


カゼインは欧米諸国の人たちであっても、私たち日本人と同様に腸内にダメージを受けます。
乳糖不耐症などの症状に一切関係のない強い腸を持っていたとしても腸にダメージを与える存在、それこそがカゼインなのです!

私たち日本人はそもそも乳糖不耐症の確率が非常に高い腸を持っています。
そこに更に、欧米諸国の腸までも冒してしまうカゼインという驚異がダブルで合わさることによって牛乳という飲み物の脅威を格段に高めてしまっているのですね!

ヨーグルトは非常に難しい食べ物

ヨーグルトは便秘改善に不向き



続いてヨーグルトについてご紹介させていただきます。
ヨーグルトもまた牛乳と同様で乳製品であるため、少なからず牛乳の特性を引き継いでしまうことになります。

ヨーグルトは完全悪というわけではありません。
実際、ヨーグルトを食べてお腹の調子が良くなった。という人も耳にします。

しかしながらヨーグルトは、非常に難しい食べ物なのです!
ヨーグルトの難しさを要約しますと、次の3点に絞られます。

【1】カゼインが腸内を荒らしてしまう

【2】ヨーグルト、実は糖質が意外と高い

【3】自分に合った菌株を見つけるのが非常に困難

以上3点の脅威によって、ヨーグルトは便秘を改善ではなくむしろ悪化させてしまう傾向にあるのです。

1.カゼインによる脅威

カゼインについては乳製品である牛乳の特性をそのまま引き継ぐため、ヨーグルトであってもカゼインの脅威からは逃れることができません。

2.糖質が意外と高い

更にヨーグルトは糖質も意外に高いということが言えます。多すぎる糖質は腸内環境を悪化させて快便を遠のかせる悪事を働くのです。

3.菌株の問題

そして最後に、自分に合った菌株を見つけることが非常に難しいという点です。
ヨーグルトはご存知の通り乳酸菌やビフィズス菌などを含んでいます。

しかしこれらはヨーグルト1個に対してほんの数種類、しかも各社によって種類は非常に様々です。このうち、数あるヨーグルトの中からあなたの腸内にベストマッチする菌株をバッチリと見つけることは非常に困難です!

あなたの腸に合った菌株を見つけるために長期間が必要となり、しかも経済的にも負担がかかります。
更に、カゼインや糖質などの脅威を腸が受け続けながら根気よく菌株探しを続けていくことは現実的とは言えません。



次のブログ記事にて、これらヨーグルトの脅威についてもっと詳細にご紹介しておりますので、是非一度ご覧になっていただくことをオススメします!

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以上の理由からも、ヨーグルトで便秘を改善することは非常に困難なのですね。

難しい食べ物であるヨーグルトに無理矢理チャレンジするよりも、食物繊維を豊富に含む食べ物を意識して摂取していくことのほうがよっぽど良い便通に恵まれる可能性は高まります!

これを機にヨーグルト以外の選択も視野に入れてみてはいかがでしょうか?

牛乳、ヨーグルト共に糖質が高め

牛乳とヨーグルトは便秘を悪化させる



先ほどのヨーグルトの項目で、意外と糖質が高いということをご紹介しました。

しかしながら、実は牛乳も意外と糖質が高めな飲料なのです!

【牛乳とヨーグルトの糖質量】

●牛乳200mlに対して、糖質約9.6g

●ヨーグルト(無糖)100gに対して、糖質約5.6g

牛乳コップ1杯程度で糖質が約10g近くになるため、意外と高い糖質であることがわかります。

また、ヨーグルトは1食あたりを100gとすると、無糖であっても糖質約5.6gは高めです。
そのまま無糖で食べる方もいらっしゃいますが、大抵のケースでは砂糖を足したり甘いソースをかけたりフルーツを添えたりして食べます。
そのため糖質5.6gではなく砂糖の量やトッピングによって、もっともっと糖質が増える危険性があります。


これらを単体で飲む・食べるなどの場合はそれほど気にするほどの糖質量ではありません。
しかしながら大抵のケースでは、

  • パン&牛乳
  • ランチ&ヨーグルト
  • お菓子&牛乳

などのように、食事やお菓子等と組み合わせて飲食することがほとんどかと思います。

食事やお菓子でしっかりと多めの糖質を摂取していながら、体に良いからと牛乳やヨーグルトをセットで食べることによって糖質量が底上げされてしまいます。
『何かしらとセットで飲食する』、これが牛乳とヨーグルトの意外と高い糖質を更に強めてしまう弱点と言えるでしょう!

ヨーグルトにおいては朝食にヨーグルトだけで済ませる。という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし大事な朝の始まりの食事において、そのまま無糖で食べて終わり。という方は一体どのくらいいらっしゃるでしょうか?
おそらく何かしらの砂糖かフルーツか甘いソースなどをトッピングされるケースがほとんどでしょう。

そういった意味でも、
本当の意味で牛乳・ヨーグルトを単体で飲食するケースは非常にその機会が少ないと言えます!


そして多すぎる糖質は腸内環境を荒らして便秘を悪くします。

糖質が意外と高めである牛乳とヨーグルトは、便秘改善には向かない
ということが言えるのですね!

まとめ

■牛乳もヨーグルトも便秘改善に向かない
・牛乳には乳糖とカゼイン、2つの脅威がある
・日本人の8~9割は、実は乳糖不耐症の腸の構造をしている
・カゼインも乳糖と同じように腸内を非常に荒らしてしまう性質を持っている

■ヨーグルトは非常に難しい食べ物
【1】カゼインが腸内を荒らしてしまう
【2】ヨーグルト、実は糖質が意外と高い
【3】自分に合った菌株を見つけるのが非常に困難

■牛乳、ヨーグルト共に糖質が高め
・本当の意味で牛乳、ヨーグルトを単体で飲食するケースは非常に機会が少ない
・糖質が意外と高めである牛乳とヨーグルトは、便秘改善には向かない

便秘を改善していくために、
『牛乳とヨーグルトどっちを選べばいいの?』という疑問に対するアンサーとしては、
牛乳もヨーグルトも、どちらも便秘改善に向かない
ということが言えます!

乳糖、カゼイン、意外と高い糖質など、便秘を改善するどころかこれらは便通を悪化させてしまう素因となるものばかりです。


便秘の人が牛乳を飲むとお通じが良くなるとたまに耳にしますが、これは牛乳を飲み乳糖不耐症によってお腹が少しゆるくなることで便が柔らかくなっていると推測されます。

私たち日本人は消化酵素であるラクターゼが圧倒的に足りません。
未消化のまま乳糖が腸内まで来て下痢を引き起こすメカニズムが、便秘の人の頑固な便を少し柔らかくしていると思われます。

しかしこれは荒療治と言わざるを得ません。
消化しきれない栄養素は、すなわち体にとって異物です。腸内で異物となりやすい乳糖を積極的に摂ること。また同時にカゼイン、そして糖質などの脅威も同時に腸に招いてしまっては便秘薬卒業は遠のいてしまうことでしょう。


便秘改善は時間のかかる道のりです。
いきなり乳製品を全てやめることが難しいようであれば、まずは少しずつ摂取量を減らしていくことから始められてはいかがでしょうか。

牛乳・ヨーグルトなどの乳製品から手を引くことで腸内を健康にしていくことこそが、あなたの便秘改善への道に繋がっていくことは間違いないでしょう!


最後までお読みいただき、ありがとうございました!