市販のジュースは便秘を悪化させる

スーパー・コンビニで簡単に手に入るジュース。
どれも甘くておいしいものばかりですがその中でも、便秘を良くするためにフルーツジュースや野菜ジュースを選択される方も多いのではないでしょうか。

確かに、フルーツジュースや野菜ジュースに含まれている食物繊維は便秘改善にうってつけです。しかし、実は食物繊維を摂る以上の悪事を働いてしまいやすいのが、これらのジュースなのです!


先に結論を述べさせていただきますと、
便秘に良い市販のジュースはゼロ!ということが言えるのですね!

それではよく購買されるジュースのうち、3種類のジュースをチョイスしましたので、便秘を悪くする理由をみていきましょう!

炭酸水などの甘いジュース

炭酸水



清涼飲料水の代表格と言うと、コーラ・ソーダなどの炭酸水を始めとしたジュースを連想しやすいですよね。

しかしこれらの炭酸水を始めとした甘いジュースたちは、この上なく便秘を悪化させてしまい、更に健康も害してしまうのです!

炭酸が入っていなければいい、ということではなく、
コーヒーや紅茶、スポーツドリンクなどの、炭酸が入っていなくても甘さを感じるコーヒー・紅茶・ジュースに関しても全て同じことが言えます。


これらの甘いジュースに共通して含有されている成分。それが、
異性化糖などの高果糖コーンシロップです!


異性化糖などの高果糖コーンシロップは、トウモロコシやイモ類などのデンプンをもとに、甘さだけに特化して工業的に製造された人工の糖です。
別名”高フルクトース・コーンシロップ”とも呼ばれ、少量でもかなり強い甘さを引き出し、安価なことが特徴です。

とにかく甘さを追求した人工的な糖であり、安価であるがゆえに企業側も非常に使いやすく、甘さを感じる清涼飲料水にはまず間違いなく添加されています。

この異性化糖である高フルクトース・コーンシロップは肥満や糖尿病などの原因となることがわかり、世界各国や日本においても、その危険性が指摘されるようになってきました。


通常の果物に含まれている純粋なフルクトースという糖があります。
この糖は、ブドウ糖などの糖に比べて体内脂肪を形成する比率が非常に高いのです。

しかしこの異性化糖は、ただでさえ太りやすいフルクトースを高濃度に生成して高フルクトース・コーンシロップとして製造します。
そのため、純粋な果糖であるフルクトースよりも何倍も太りやすさの原因となることは言うまでもありません。
異性化糖を摂り続けることで、肥満が増大し、健康を害する危険性が高まります!


清涼飲料水のラベルを見ても、『異性化糖』や、『高フルクトース・コーンシロップ』などの表記を見つけることができません。
含有されていないかと言うとそうではなく、名前を変えて表記されているため注意が必要です!

【異性化糖、高フルクトースコーンシロップの 食品ラベル表記名】

●果糖ブドウ糖液糖

●ブドウ糖果糖液糖

●砂糖混合異性化液糖


などの表記が成分表示ラベルに表示されている場合、これらは全て異性化糖=高フルクトース・コーンシロップとなります!

清涼飲料水だけにかぎらず、お菓子、ヨーグルト、納豆のタレ、ドレッシングなど、様々な食品に非常に多く使用されていますので注意が必要です。


多すぎる糖は腸内環境を悪化させるという特性があります。
そのため、通常の果糖であるフルクトースよりも更に糖度を増して作られた異性化糖=高フルクトース・コーンシロップは、腸にダメージを与えて便秘を悪化させてしまうのです!

あなたが毎日飲む清涼飲料水のうち、異性化糖が入っている飲み物をよく飲まれる場合は、まずは異性化糖飲料を選ばない選択をすることが大切となってきます!

100%フルーツジュース

フルーツジュース



続いて100%フルーツジュースです!

モデルさんや健康意識の高い人などが好んで摂取するフルーツをそのままドリンクにしたものであるため、多くの人が「健康に良い!」と思われているのではないかと思います。

しかしながら、実は残念ながら100%フルーツジュースも、
便秘を悪化させ、そして健康をも害してしまう飲み物なのです!


そもそもの仕組みについて、フルーツの糖からお話しさせていただきたいと思います。
フルーツの糖は、果糖=フルクトースと呼ばれる糖から構成されています。

フルクトースは、
ブドウ糖やグルコース、ショ糖などと比べてみると、非常に稀有(けう)な性質を持っています。
その性質とは、
一般の糖と代謝経路が異なり、そして糖でありながらインスリンの分泌がされないという点にあります。

これだけを聞くと、
「インスリンの分泌がないなら、太らないの!?」
と勘違いされるかもしれませんが、それは残念ながらNOです。

その理由は、
フルクトースの代謝経路は直接脂肪を合成するためのルートにご案内される、いわば脂肪を作るための近道を猛進してしまうためです!



そして更なる問題点は、
フルクトースは一般的な糖であるグルコースよりも300倍も糖化しやすいという事実にあります!

糖化とは、タンパク質細胞に糖がくっつくことで起きる現象で、私たちの皮膚や内臓や細胞の老化を早めてしまいます。
糖化=老化と同じととらえて問題ありません。

つまり、
老化のスピードが300倍も速い糖が、フルクトースなのですね!


細胞や内臓が老化することによって起きてくること。
それは、皮膚の水分量の低下や、皮膚のたるみ、シワ・シミなどが増え、それと同時に腸内環境の悪化が起こります。
腸内環境が悪化する=便通の悪化と同義なのですね!

フルクトースをジュースの状態で飲みやすく、そしてふんだんに摂取できてしまう100%フルーツジュースこそ、私たちの便通の大敵であり、健康を害して老化を促進する飲料であることは疑いありません!


よく飲まれるというあなたは、少しずつでも飲む量を減らしていき、いずれはフルクトース断ちを敢行されることを強くオススメします!

100%野菜ジュース

野菜ジュース



最後に、100%野菜ジュースです!

「これはさすがに健康飲料でしょう!」
と思われましたか?

確かに、野菜の栄養をギュッと絞って一気に飲み干すことができる、健康飲料の代表格とも言える飲み物ですよね。

しかしながら、実は野菜ジュースにも意外な落とし穴が存在しているのですね!


その落とし穴とは、

◆野菜ジュースの糖は意外と高いということ

◆ほとんど消化の必要がなく、糖が腸内で急速に吸収されてしまう

◆野菜の絞り汁を飲むため、絞る工程で大切な食物繊維が失われている

ということが挙げられます!

野菜ジュースの糖は意外と高い

まず、野菜ジュースの糖は意外と高いという点です。

トマト、ニンジン、ブロッコリー、カボチャなどがよく野菜ジュースに使われますが、これらは糖質が意外と高いのです。それ以外の野菜たちも量に差こそあれ、それなりの糖を含んでいます。

「健康しかない飲み物」と思いきや、
濃縮して沢山の野菜を摂取できる反面、野菜に含まれる糖もまた濃縮する分、糖も多めに摂取してしまうという点に注意が必要です!


そして、この意外と高い糖質を、更に悪くしてしまうのが、野菜ジュースの”ジュース”という食品形態にあります。
そのメカニズムについて、次の項目でご紹介しますね!

ほとんど消化の必要がなく、糖が腸内で急速に吸収されてしまう

次なる問題点は、その食品形態にあります。

私たちが通常の野菜を食べる際の消化吸収経路は、

咀嚼により野菜を細かく噛み砕き、食道、胃へと運ばれて胃の消化液と唾液で化学反応を起こし、消化しやすい形状にします。
そしてしばらく胃の中でとどまり、その間にじっくりと消化をしていきます。
更に、十二指腸へ運ばれて、膵液(すいえき)と胆汁(たんじゅう)によってさらに細かく消化されます。
その後、小腸にまで到達して、ここでようやく吸収作業が始まります。



しかし野菜ジュースはどうでしょう。固形ではなく液状です。

液体であるため、咀嚼という行程もなく、胃の中にしばらくとどまることもありません。
十二指腸の滞在時間も短く、あっという間に小腸にまで到達してしまいます。



液状である野菜ジュースが小腸に到達するのは、あっという間です。
そして腸内で急速に吸収されてしまうことになります。

「これの何が問題なの??」
ということですが、

腸内で急速に糖が吸収されるということは、血糖値が一気に跳ね上がってしまうということにつながるのです!

血糖値の急上昇は、体や心への様々なダメージとなるのです!
血糖値の急上昇後はインスリン分泌により血糖値が急下降します。
そうなると自律神経が乱れてしまうため、腸の蠕動運動が抑止されてしまいます。腸の蠕動運動が抑止されるということは、腸内環境を悪化させることと全く同義です。

つまり、血糖値の急上昇がもたらすものは、とどのつまり便秘の悪化につながってしまうというわけなのですね!


非常に手早く、簡単に摂取できる野菜ジュースという食品形態がもたらすものは、
便秘を悪化させて、肥満を増大して様々な健康リスクを高めてしまうことなのですね!

野菜の絞り汁を飲むため、絞る工程で大切な食物繊維が失われている

野菜ジュースは、製造工程において野菜を搾汁(さくじゅう)することで野菜の汁を搾り取ります。

搾り摂られた残りカスには食物繊維が豊富に含まれていますが、野菜ジュース自体には搾りカスは入りません。これはつまり、野菜が持つ大部分の食物繊維を捨てているようなものです。

野菜の形のまま食べる通常の食事とは全く異なり、
搾り取った食物繊維を含まない野菜ジュースでは食物繊維量が圧倒的に減ってしまうのですね!


食物繊維が腸内環境の改善に貢献してくれ、そして良い便通をもたらしてくれることはよく知られている通りです。

野菜ジュースを飲むことで、野菜の糖をたくさん摂るだけ取って、大切な食物繊維は除外する。
ということでは、あまりにも本末転倒と言えるのではないでしょうか。

食物繊維は便秘解消には欠かせない、とても大切なものです。
以下の記事で食物繊維を詳細にご紹介していますので、よろしければご覧ください!

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食物繊維




またこれは、フルーツジュースにも全く同じことが言えます。
野菜に負けないくらい豊富な食物繊維を持っているフルーツですが、フルーツジュースにおいても食物繊維はほぼ除外されてしまうのです。

野菜、フルーツ、それぞれの利点を消して、
そしてそれぞれの欠点である糖やフルクトースを多分に、それも急速に吸収する食品形態であるジュースは、便秘の大敵であると言わざるを得ないと言えます!


野菜もフルーツも、本来の食品形態のまま調理し、または生食していき、素材が持つ本当の栄養素をふんだんに享受していくことが正しい摂取法です。

それはおいしい上に、太りにくく、健康に良く、更には、腸内環境に良い影響を与えてくれます!


これらのジュースをやめて、その分野菜などをふんだんに食べていくことが便秘改善の近道になることは間違いないでしょう!


まとめ

■炭酸水などの甘いジュース
 ・異性化糖などの高果糖コーンシロップに要注意
 ・異性化糖が便秘を悪化させるだけでなく、肥満も増大することで健康を害する

■100%フルーツジュース
 ・フルーツの糖であるフルクトースの代謝経路は直接脂肪を合成する
 ・老化のスピードが300倍も速い糖が、フルクトース

■100%野菜ジュース
 ・野菜ジュースの糖は意外と高い
 ・ほとんど消化の必要がなく、糖が腸内で急速に吸収されてしまう
 ・野菜の絞り汁を飲むため、絞る工程で大切な食物繊維が失われている

スーパー、コンビニなどで市販されているジュースでは、いずれのジュースも便秘改善にはつながりません。

便秘を改善しないばかりではなく、便秘を悪化させる悪い理由をたくさん持っているため、市販のジュースはなるべくなら飲まないことが賢明です。

炭酸水などのジュースは異性化糖の問題。
フルーツジュースはフルクトース、野菜ジュースは糖の吸収が早く、そして大切な食物繊維が大部分失わている問題があります。

これらの理由から、
市販のジュースでは脂肪を増やすことはあっても、便秘を良くすることはないと言えます!


良い便通は一日にして成りません。
これらのジュースを常飲されているあなたは、ジュースたちが持つこれらの特性をよく認識いただき、そしていずれ減ジュース・脱ジュースに向かって食生活を変えていかれることをオススメします!


最後までお読みいただき、ありがとうございました!