溜まりすぎた便を出すとき、どうしてもお腹が苦しいとき、便秘薬は頼もしい助けとなってくれます。
しかし便秘薬を使うとどうしてもお腹が痛くなったり、下痢になりがちな人がいます。
ただでさえやめどきの難しい便秘薬ですが、便秘薬で下痢を引き起こしてしまう難点があることもまた、便秘薬の難しさと言えます。
便秘薬を飲むことで下痢になってしまう仕組みについて、本日はそのメカニズムをご紹介させていただきます!
便秘薬で下痢になるのは蠕動運動が活発になりすぎるため
食べた物は自ら動いて体内を移動するわけではなく、胃や腸などの様々な消化器官が蠕動運動をすることによって運ばれていきます。
便も全く同じで、便が自ら動くことはできないため腸の蠕動運動によって腸内を運ばれていくことに。
便秘薬を飲むと下痢になる仕組みの一つ目として、蠕動運動が活発になりすぎるためということが挙げられます。
この仕組みは便秘薬のうち、刺激性便秘薬を使用することによって起きることがわかっています。
刺激性便秘薬を使用すると薬の刺激により、腸が異常に活発な蠕動運動を促され、それによって便が腸内を早く移動することに。
食べた物がほとんど液状化した状態が、便の基となる物質。
便が腸内を急速に移動するということは、便がまだ完全に形成されない段階であっても強制的に排出してしまうこと。
つまり早すぎる蠕動運動が促されることによって、固形に形成される前のほぼ液体の状態のまま排出されるため、下痢となるのですね!
刺激性便秘薬は文字通り刺激が強いです。
そのため刺激性便秘薬の服用量を見直してみたり、または、非刺激性の便秘薬に変えてみたりといった工夫が必要となるかもしれません。
酸化マグネシウムが下痢を引き起こす仕組みになりやすい
続いて便秘薬で下痢になる仕組み二つ目として、便秘薬が腸内の水分を奪うためそのために下痢になりやすいと言えます。
便秘薬のうち酸化マグネシウムなどがこれに該当し、酸化マグネシウムは水分を吸収するという特徴が。
水分を吸収した酸化マグネシウムは便を柔らかくして、硬くなった便を排出する助けをします。
酸化マグネシウムは浸透圧作用によって便を柔らかくしてくれるのですが、この浸透圧を保つためには腸内から多量の水分を奪う必要が出てきます。
これによって便が柔らかく排出される助けとなってくれるわけですが、難点が一つ。
それは、元々軟便がちでかつ、便が出にくいタイプの人は下痢になりやすいという現象が起きやすいのですね!
- 「酸化マグネシウムを飲むと下痢になりやすいのよね」
- 「酸化マグネシウムは効きすぎて困る」
という声をよく耳にしますが、これは元々軟便がちでかつ、便が出にくいタイプの人が酸化マグネシウムを摂取することによって起きやすいのですね。
こういったタイプの人は、酸化マグネシウム以外の選択肢を考えていくことも必要となるかもしれません。
けいれん性便秘によって下痢が起きることも
便秘薬を飲むと下痢になる仕組み三つ目として、けいれん性便秘の人が便秘薬を飲むことによって下痢になりやすいこの影響も少なからず関連してくる可能性が。
けいれん性便秘とは、ストレスや自律神経の乱れによって大腸の動きが非常に不安定になっている便秘のことを指します。
この状態は日々のストレスや自律神経の乱れによって大腸が不規則になり、軟便になりやすかったり、便秘になりやすかったり、腸内は非常に不安定。
このような非常に不安定な腸内に、効きすぎてしまう便秘薬を送りこんだらどうなるでしょうか?
元々軟便や下痢になりがちな状態が更に悪化して、下痢を引き起こしてしまうのですね!
また、けいれん性便秘になると腸管が非常に敏感になりやすく、ちょっとの刺激で過敏に反応をします。
硬い便にもよく効く便秘薬を、このような過敏な腸管に与えてしまっては下痢を避けることは難しくなるでしょう。
普段から軟便や下痢、それから便秘を繰り返している人の場合、このけいれん性便秘に該当する可能性があるのですね。
このような体質をお持ちの場合は、そもそも便秘薬を使用すること自体が非常に困難な状態。
そのため無理に便秘薬を使おうとするのではなく、自然な排便ができるような食物繊維の摂取などに意識を向けるほうがよっぽど建設的ではないでしょうか。
まとめ
■蠕動運動が活発になりすぎるため
・異常な蠕動運動によって、ほぼ液体の状態のまま排出される
■人によっては酸化マグネシウムで下痢になりやすい
・酸化マグネシウムが腸内の水分を奪う
・そのため、元々軟便がちでかつ、便が出にくいタイプの人は下痢になりやすい
■けいれん性便秘による影響も
・けいれん性便秘の人が便秘薬を飲むことによって下痢になりやすい
・元々軟便や下痢になりがちな状態が更に悪化して、下痢を引き起こす
「便秘を解消するために便秘薬を飲んでいるのに、なぜ下痢になるの?」
という疑問に対する、アンサーの記事内容となりました。
あなたの普段の腸内の状態と照らし合わせていただくことで、どのタイプで下痢になってしまうのかだいたいのパターンがわかります。
だいたいのパターンを把握することで、便が溜まりすぎたときや困ったときに使用する便秘薬の選び方もまた、今後変わってくるのではないでしょうか。