便秘薬の種類と副作用について

便秘薬は便が出ないつらい症状を緩和してくれる頼もしい味方です。

しかし便秘薬の種類や服用期間によっては、思わぬ副作用をもたらしたり、常習性をもたらしたりと、便秘の解消以外に不利益をこうむる場合が多々あるのです。


今回は数ある便秘薬の主な種類、それぞれの効果や副作用についてご紹介させていただきたいと思います!

便秘薬の種類

やめたい便秘薬の種類を知ろう



便秘薬の種類は大きく分けて、

1.刺激性便秘薬

2.機械性便秘薬(非刺激性便秘薬)

この2種類に大別されます。


1.刺激性便秘薬

刺激性便秘薬は文字通り、小腸や大腸に直接刺激を与えることで排便を促すための薬です。

他の便秘薬よりも強力な排便力を促すことが特徴で、腸管の収縮を誘発するため腹痛を感じやすいです。
刺激性便秘薬の主な種類としては次の通りです。


小腸刺激性便秘薬

小腸に直接刺激を与えて、排便を促す便秘薬です。

ヒマシ油やオリーブオイルなども小腸刺激性に含まれます。大腸を直接刺激する大腸刺激性便秘薬に比べて刺激が少ないことが特徴です。

代表成分 : ヒマシ油、オリーブオイルなど



大腸刺激性便秘薬

大腸に刺激を与えることで蠕動運動を促進させて排便を促す便秘薬です。

更にアントラキノン系、ジフェノール系、ジフェニルメタン系の3つに分けられます。
中でもアントラキノン系が市場の便秘薬の約7割もの割合を占めており、大腸への副作用も懸念される便秘薬です。

代表成分 : アロエ、センノシド、ダイオウなど

2.機械性便秘薬

機械性便秘薬は刺激性便秘薬ほどの強力な作用はなく、また、常習性も起こりにくい点が特徴です。
機械性便秘薬の主な種類としては次の通りです。


塩類便秘薬

腸の浸透圧を上げることで便が水分を奪われすぎないようにし、柔らかい便の状態で排便を促す便秘薬です。

腸への刺激も低く、腹痛も起こりにくい点が特徴です。
刺激性便秘薬と比べて水分を多く必要とするため、服用中は水分摂取を意識することが大切となります。

代表成分 : 酸化マグネシウム、硫酸マグネシウムなど



膨張性便秘薬

腸内で水分を吸収して便のかさを増やすことで、排便を促す便秘薬です。

小食や偏った食事によって便の量がそもそも少ない場合に効果的な薬であり、
こちらも刺激性が低いため、腹痛等の不快感が起こりにくいことも特徴です。

代表成分 : プランタゴ・オバタ種子など



糖類便秘薬

腸内で吸収されない糖類を使用することによって、浸透圧作用をもたらして排便を促す便秘薬です。
浸透圧作用によって便が柔らかくなり腸への刺激も低いため、小児や産婦人科の術後などに用いられます。

代表成分 : ラクツロース、ソルビトールなど

便秘薬の効能と副作用

便秘薬をやめるために


1.刺激性便秘薬の効能と副作用

これらの刺激性便秘薬は市販の便秘薬の7割を占めているため、非常に手に入りやすいです。
そしてこれら刺激性便秘薬の効能と副作用は、次の通りです。

【刺激性便秘薬の効能】

・ドラッグストア等で簡単に入手できるため、使用のハードルが低い
・お腹に溜まりすぎた便を一気に排出する等の使用に向いている

 

【刺激性便秘薬の副作用】

・腹痛や下痢が起こりやすい
・依存性が高く、慢性的な使用となりやすい
・蠕動運動が低下して、排便力が落ちていく
・大腸メラノーシスを誘発しやすくなる

アントラキノン系便秘薬を構成する成分であるアロエ、センナ、ダイオウなどがこれらの副作用をもたらすことがわかっています。

一般的に市販されている多くの便秘薬のうち、特にアントラキノン系の刺激性便秘薬が7割もの割合を占めます。

これはつまり、非常に手に取りやすいかたちで売られている便秘薬を気軽に手に取ってしまうことで常習性が増してしまい、
知らずのうちに自らの排便力も大腸の健康をも奪いやすいということが言えるのですね!

2.機械性便秘薬の効能と副作用

続いて、機械性便秘薬の効能と副作用について、次の通りにご紹介いたします。

【機械性便秘薬の効能】

・こちらも昨今ではドラッグストア等で簡単に入手できるため、使用のハードルが低い
・腹痛が起こりにくい
・依存性が低く、便秘薬断ちをしやすい

 

【機械性便秘薬の副作用】

・刺激性便秘薬に比べて腹痛や下痢が起こりにくいが、人によっては腹痛や下痢を発症することもある
・長期服用により、血中のマグネシウム濃度が高くなることがある

刺激性便秘薬に比べて副作用が少なく、そして効能が多いことがうかがえます。

副作用のうち、長期服用によって血中のマグネシウム濃度が上がることがある点は注意が必要です。
特に高齢者の方で長期服用の必要がある場合は、医師の診断が必要となることを覚えておきましょう。


しかしながらそれ以外については、全般的に見ても腸に優しい便秘薬と言えます。

便秘薬を選ぶ際はまず第一選択肢として選びたい。
それが酸化マグネシウムなどの機械性便秘薬ですね!


機械性便秘薬は、昨今では医師の処方がなくともドラッグストアで簡単に手に入るようになっています。
便秘薬を使用する際には、刺激性便秘薬を選ぶよりもまずはこちらの機械性便秘薬の使用を検討されることをオススメします!

まとめ

■便秘薬の種類
1.刺激性便秘薬
・強力な排便力を促すことが特徴で、腸管の収縮を誘発するため腹痛を感じやすい
・小腸刺激性便秘薬、大腸刺激性便秘薬がある
2.機械性便秘薬(非刺激性便秘薬)
・塩類便秘薬、膨張性便秘薬、糖類便秘薬がある

■便秘薬の効能と副作用
1.刺激性便秘薬
・手に取りやすいかたちで売られているため常習性が増してしまい、知らずのうちに自らの排便力も大腸の健康も奪いやすい
2.機械性便秘薬の効能と副作用
・全般的に見ても腸に優しい便秘薬であるため、まず第一選択肢として選びたい便秘薬

便秘薬の種類と副作用についてご紹介させていただきました。

刺激性便秘薬はその名の通り、刺激性の強い薬である傾向が強いため腸の健康を奪いやすいと言えます。

機械性便秘薬は刺激の弱いマグネシウム等を用いたものが多く、便秘薬を選ぶ際にはまず第一選択肢として考えていきたい便秘薬となります。


便秘薬はあくまで苦しい症状を緩和するための、一過性の薬に過ぎません。
これを飲み続けることは腸の不健康を作ることになり、また、依存性によってやめどきがわからなくなるという弊害をもたらします。

便秘薬を真にやめていくためには腸内の健康が必須となります!
これから執筆していく数あるブログ記事をご参考いただくことで、あなたの便秘薬脱却のお手伝いをさせていただければ大変嬉しく思います!


最後までお読みいただき、ありがとうございました!